織り込み
よく市場が景気後退を織り込んでいるとか、市場はすでにFRBの利上げを見越しているなどと言われるが、その意味を譬え話で示してみたい。
もしあなた(男性)が、うんと若い魅惑的な女性に
「私の歳を当ててみて」と言われたら、どう答えるだろうか?
あなたは、思ったとおりの年齢を言わないはずだ。
ではどう答えるか?
おそらく次のようになるだろう。
その若い女性は、「いったい自分の年齢をどう言って貰いたいのだろうか?」とまず考えるはずである。あまり若く当て過ぎても(嘘っほく)気分を害されるだろうし、丁度では質問された意味がないのでぜんぜん面白くない。まして実年齢よりも多い数を口にしたならちょっとした事件だ。このような逡巡をまさに織り込みとすれば、市場のそれも理解しやすいと思う。彼女の気持ちを察知しながら質問に答えるということは、そのまま事実を伝えるのとは異なる。「彼女が答えに対してどう思うか」と考えてこちらも年齢を当てなくてはならない。「彼女がどう思うか」という心理を考慮しながら質問に答えるのであるから、当然その年齢は歪曲された、つまり彼女の感情を織り込んだ答えとなる。彼の率直な答えではない。
市場も心理で動くものだ。市場の数字には、将来の期待と悲観がもう織り込まれている。市場の数字はそのものは事実であるけれども、すでに多くの要素が織り込まれている謂わば偽の数字である。
(数字は現実だから正確というのは間違い!)
したがって、数字には違わないが、そこにどのようなバイアスがかかっているのかを確かめる必要がある。いまあなたが眼にしている市場によって評価されている数字は、
決して!
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