タルムード

「わたしは手ぶらよ」
「まったく無防備なやつだ」
「洋服もいらないわ」
「ならついでに、その指輪も取ってしまえ」
「わたしはもう何も持ってない」
「いや、君自身を持参している」
「そう。じゃあ、あなたは」
「わたしはこれだ」
と言いながら読んでいたタルムードに再び眼を落とした。

渋谷昌孝(masataka shibuya)

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