スフィンクスの謎

エディプス王のスフィンクスの謎について。謎の答えは人間である。スフィンクスは謎を解けなかった挑戦者たちを殺した。反対にエディプス王が人間と答えたときにスフィンクスが死んだ。なぜ人間を答えとしたのか。解けない謎にチャレンジした多くの死者は何を物語るのか。人間こそ象徴的謎である。人間と答えたときに謎を問いかけるもの(スフィンクス)が死ぬ。人間という答えが長く待たれていたが、それが暴露された瞬間に消滅する。問いかけられていた人間が明らかになった時点で問いかけていたものが死ぬ。人間を追求しようとすれば、泥沼に嵌る。これは物語から空想したもの。人間は謎のままでいたい。ここからさらに想像を膨らませる。人間を断定してはいけないし、できない。人間について答えをだしたときに死ぬものがある。人間を判断してはいけない。聖書の言葉が想起される。「人を裁いてはいけない」。人間については答えがないので、永久に保留または、宙吊りにされたままでいるのが真理ではないか。人間の謎を解いてやろう、という野心家は懲罰を受ける。スフィンクスは答えを知っており、問いかけ続けたが、答えであった人間は謎である。これは面白い。謎を問いかけておいて、答えすら謎なのだから。二重の謎が展開されている。これ以外にもさまざまな解釈ができる。しかも、エディプス王のなかの一部分だけを拾っただけに過ぎない。小さな物語に膨大な解釈が眠る。

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