簡単の誤解
「難しい」という言い方がわからない。というのは、簡単なものなど何一つないに違いないからである。なぜ限定的にある対象に対してのみ「難しい」というのか。よく考えるなら全部が難しいことが理解できる。いったい簡単とは何に由来するのか。恐らく簡単と強引に見做すという間違った方法で理解しようとする結果、本来なら難しいものを簡単なものにすり替えているのだと思われる。これは本質的なことで、間違いの多くは単純にみてしまうことから生じるからだ。この世に簡単なものなどなく、簡単だと勝手に決めつけ考えるから簡単なものとして錯覚してしまう。ほんらい複雑なものを簡単なものだと誤解しているとどうなるのかといえば「意外だ」という感覚をもつことになるか、あるいは「予想外だった」などと言うだろう。
わかりやすいようにみているからわかりやすくなるというだけのことである。
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