反射的な言葉の謎についてのメモ
何かにぶつかった時の「痛い!」とか、沸騰したヤカンに手が触れた時の「熱い!」とか瞬間的に発せられる言葉は、熟慮なしに身体反射と同時に言葉となったものである。ぶつかった瞬間に「痛い!」というのであって、「ぶつかったから痛いという言葉を使おう」などとは考えない。同様に、沸騰したヤカンに手が触れた瞬間に「熱さを感じるから熱いと言おう」などとも考えない。つまり思考することなしに反射的に身体から発せられた言葉ということができる。ところで、言葉は考えた末に発語されるものと解釈するのが一般的であろう。しかし、「痛い!」とか「熱い!」などの咄嗟に発語される言葉は、思考されたものではなく身体からでた言葉と言える。ここで疑問が生じる。身体が言葉を発することができるのか?または身体が言葉を使うことができるだろうか?どうして適切な単語を身体が選択することができたのだろうか?身体は確かに長い文章は作らないかも知れないが、短い単語レベルでは正確に喋っているように感じられる。身体が言語を駆使するのが真実なのなら、言語の特性は思考だけに拠らないものと訂正しなければならない。身体と言語は切り離されているどころか、密接な関係にある事実を認めなくてはならない。「身体が喋る」という不思議について、深く調べる必要がありそうだ。
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